ぷちらば


04.ティータイム

「やぁ、鋼の。よく来たね。
 コーヒーにするかね?それともジュースでも用意しようか」

「え・・・あ、いや・・・・・・」

「ああ、そうだ。この間、良い紅茶のリーフを手に入れてね。
 あれにしようか」

「あ・・・ああ、なんでもいいけど・・・・・」







『君の探している文献を手に入れたから、いつでも見に来ると良い』

そうロイから手紙を受け取ったのは、エドワードとアルフォンスが
ラッシュバレーを経ってから、まもなくだった。
最近、どうにも負けっぱなしだと感じた二人は、自分たちのスキルアップを狙い
これからダブリスに向かって、錬金術の師匠に会おうとしていた。
だが、エドワードは右腕と左足が機械鎧だし、アルフォンスにいたっては全身が鎧で
魂だけの存在になってしまっている。
師匠であるイズミほどの錬金術師ならば、人体錬成をしたことぐらい
軽く見抜いてしまうだろう。

『死んだ人間を生き返らせようなんて思ってはいけない』

そうきつく言われていたのに、禁忌を犯してしまった自分達を
果たしてイズミは許してくれるだろうか・・・。
イズミの元で修行していた二人が揃って出した結論は

『間違いなく殺される!!』

これしか考えられなかった。

情けないと言われても、二人にとって師匠のイズミの存在は絶対で、怖いものは怖い。
出来るなら、元の身体に戻るまでは会いたくないと思っていたのだ。
だが、今の自分達の行き詰った状況からして、会わないわけにもいかない。

そんなところへ来たロイからの手紙は、エドワードとアルフォンスを大いに喜ばせた。
もし、この文献に元の身体に戻れるヒントが記されていて、自分達が無事に元の身体に
戻れたとしたら・・・・・・
イズミには堂々と会いに行けるし、もちろん殺される事もない。
ダブリスまであと少し・・・というところまで来ていたにも関わらず
エドワードとアルフォンスは、その文献に望みを託し、わざわざイーストシティまで
戻ることにしたのだった。






「鋼の、砂糖はいくつ入れるかね?」

「え・・・あ、じゃぁ2個・・・」

ロイが手に入れた文献を見せてもらおうと、東方司令部を訪ねたエドワードだったが
実のところは、また色々と叱られるのではないかと思っていた。
ラッシュバレーでの一件は、この間ばれてこっぴどくお仕置きされたけれど
ロイにばれてない悪事など、些細なイタズラも含めれば、それこそ山のようにある。
しかもエドワード自身は悪事と思ってないことが多いので、余計にタチが悪い。

こんなエドワードだから、呼び出される度に今回はどの悪事が
ばれてしまったのだろうかと、内心ビクついていたりするのである。
それなのに、今日のロイときたら、いやに上機嫌で席は勧めてくれるし
しかもお茶までご馳走してくれるという。
いつもなら皮肉のひとつも言うロイが、である。
おかげでエドワードは何だか調子が狂ってしまう。

ふわりと香る紅茶を受け取って、エドワードはそっと口を付ける。
さすがにロイが良いリーフだと言うだけあって、紅茶の味などわからないエドワードにも
普段飲むものよりも断然美味しく感じられた。

「へぇ・・・うまいね、コレ」

エドワードが率直に感想を述べると

「そうか、それは何よりだ」

ロイはエドワードの隣で、ますます上機嫌で紅茶を味わっている。
その様子を見ながら、エドワードは叱られるかもと思ったのは
どうやら自分の取り越し苦労であった事を密かに喜んでいた。

(そうだよな・・・いくら大佐だって、そこまで暇じゃないもんな)

エドワードも上機嫌で紅茶をすすっていると、ふいにロイがカップを置いて口を開いた。

「そういえば・・・・・・ラッシュバレーの前はセントラルにいたんだってねぇ・・・」

「え・・・」

ロイの発言にエドワードは思わず紅茶を持ったまま、固まってしまった。
その視線がどうにも厳しく感じられて、嫌な予感がする。

(ま・・・まさか、第5研究所つぶしたの・・・ばれてる・・・!?)

「ま、まぁ・・・いたにはいたけど・・・・」

紅茶を飲むふりをして、ごにょごにょと語尾を濁し
とりあえずロイの様子を窺う事にした。

「この間来た時は、君から何も聞いてないがねぇ・・・?」

顔は笑ったままなのに、段々とロイの声のトーンが下がっていく。

(も、もしかして・・・怒ってる・・・!?)

何度もロイに叱られているエドワードには、悲しいかなロイが怒っているかどうかが
声のトーンでわかってしまう。
これは間違いなく怒っているトーンだ。
冷や汗で滑りそうになりながら、カップを口に運び、チラリと目だけでロイの様子を探る。
顔は席を勧めてくれた時と同じく上機嫌なのに対し、目が全く笑っていない。
どうやら、たいそうご立腹のようだ。

「あ・・・あの、その・・・・・・」

文献に誘われて東方司令部に来たものの、もしかするとこれは
イズミに会いに行くのと同じぐらいに危機的状況なのかもしれないと
今更ながらにロイを訪ねたことを後悔し始めた。

エドワードは紅茶のカップをテーブルに置いて、座ったままソファをズリズリと移動し
少しでもロイから離れようと腰を薄く浮かせた。
だが、それを簡単にロイが許すわけも無く・・・

「わぁっ・・・や、やだっ!!」

ぐいっと腕を引っ張られて、すぐ傍まで引き寄せられてしまう。

「鋼の・・・第5研究所に忍び込んだと聞いているが?」

笑顔なのに、目が全く笑っていないものだから、余計に恐ろしい。
これならば、普通に怒鳴られでもした方がいくらかマシだ。

「うぅ・・・そ、それは・・・・・・」

「しかも、研究所を丸ごと崩壊させたとも聞いているんだがねぇ・・・」

そう言いながら、ロイは更にエドワードの腕を引こうとする。
このままではまた間違いなくこっぴどくお仕置きされて泣かされる。

「やっ・・・確かに忍び込んだけど・・・ロス少尉にはビンタされたし・・・
 ヒューズ中佐にだってっ・・・・・・!!」

エドワードは何とか逃れようと必死で言い訳を考えた。
確かにこの件に関しては、もう既にお仕置きされたのだ。
それも二人から。
ロス少尉にはビンタされたし、ヒューズ中佐には、ロイがいつもするように
膝の上でお尻をぶたれた。
これ以上同じ罪状でお仕置きされたくはない。

「だからっ・・・・・・!!」

縋るような目つきでロイを見上げてみるが

「問題を起こすなと、いつもそう言っているだろう?」

ロイはやれやれ・・・とため息を吐きながら、エドワードを強引に膝の上に乗せた。

「や、ごめ・・・ごめんなさい!!もう絶対しないからっ!!」

膝に乗せられても、エドワードはバタバタを暴れて、何とか逃れようとする。

「謝罪の言葉が素直に出るようになったのは喜ばしいが・・・
 だがまずは先に・・・・・・」

ロイはエドワードのズボンを下着ごと膝まで下ろしてしまった。

「やっ・・・ホントにもうしないからぁっ!!」

往生際悪く、未だ抵抗するエドワードに、パァンッ!!と容赦のない平手を振り下ろして

「まずは先に・・・たっぷりと反省の時間だ」

ロイはそう冷たく宣告する。

「やっ・・・やだぁーっ!!」

初めから思い切りひっぱたかれて、エドワードの目にはもう既にうっすらと涙が浮かんできた。

パァンッ!パァンッ!!

「や、やぁっ・・・ひたっ」

先程と同じ力で連打されて、エドワードは短く悲鳴をあげた。
エドワードがどれだけ暴れて抵抗しても、ロイの平手が止まる事はなく
容赦のない力で、エドワードのお尻はみるみる赤く染められていく。

「ひっ・・・や、もうやだっ・・・いたぁっ!!」

ロイの手は何度も何度も容赦なくエドワードのお尻をめがけて飛んでくる。
それは二つのふくらみの右だったり、左だったり、真ん中だったり・・・。
気紛れだから、どこに飛んでくるかもわからないし、そんなことを考える余裕もない。
とにかくお尻が痛くて痛くてたまらない。

パァンッ!パンッ!パァンッ!

「ふぇっ・・・たいさぁ、やっ・・・ひんっ」

最初からずっと思い切り叩かれ続けて、エドワードの目にはいっぱいの涙が溢れていたが
遂には、こぼれ落ちてポタポタと床を小さく濡らした。

「ごめ・・・ごめんなさ・・・ふぇっ・・・」

ロイはいつもなら、しょうがない・・・という風ではあるけれど
エドワードが泣き出したらそれなりに力を緩めてくれた。
それに『ごめんなさい』を言えば、大抵は終わりにして許してくれていた。
それなのに、今日は泣いても、『ごめんなさい』を言っても、一向にお仕置きは
終わりそうにない。

ロイは相変わらず終始無言で、きつく平手を振り下ろしてくる。

パンッ!パァンッ!パァンッ!!

「やっ・・・も、やぁっ・・・たいさ、おねがっ・・・」

エドワードがどれだけ泣きじゃくってお願いしても、ロイは全く聞いてくれない。
それどころか、バカな願いはするなと言わんばかりに、余計にきつく手を
振り下ろされる。
今日のロイはどうやら相当怒っているらしく、いつも以上に厳しく容赦がない。

「ふぇぇっ・・・も、やだっ・・・やだぁっ!!」

エドワードは何とか上半身を捻らせて、右手で自身のお尻をかばった。

「・・・鋼の、手をどけなさい」

ここでようやくロイは口を開いたが、相変わらず声のトーンは低いままだ。

「ふぇぇ・・・だってっ・・・!!」

エドワードは泣きじゃくりながらも必死にロイを見上げて訴えたが

「・・・邪魔な手はいっそ縛ってしまおうか」

ロイから返ってきたのは、冷たい視線と恐ろしい一言で。

「やっ・・・たいさ、やだっ・・・やだぁっ!!」

ロイはパチンと軍服の襟章をはずして、肩からかかっていた紐をはずすと
自身のお尻をかばっていたエドワードの手を背中に縫い付けて
そのまま紐で固定してしまった。

必死で抵抗したものの、あっさりと縛り上げられてしまったエドワードは
ここまできてやっと、自分がロイにここまでさせるほど悪いことをしたのだと悟った。

「ふぇ・・・ごめ・・・ごめんなさいっ・・・もうしないからぁ・・・」

「鋼の。私が君にお仕置きするのは何度目か、覚えているかね?」

「ふぇ・・・?」

ロイの突然の質問の意図がわからずに、エドワードはビクビクおびえながら必死で考える。

「う・・・さ、3回目・・・?」

「正解。
 今まで私は2度も君の『ごめんなさい』と『もうしない』のセリフを
 信じてきたわけだが・・・君は何度も同じ間違いをするようだからね。
 よって、君の『ごめんなさい』は信じないことにした」

ロイは言い終わると同時に、エドワードへ再度、バチンと平手を振り下ろした。
もうすでに真っ赤になっていたお尻に、更に連打を加えられて
しかも腕を背中に固定されている状態ではろくな抵抗などできるわけもなく
エドワードはただ小さく足をバタつかせるか、言葉で訴えるか、それだけで精一杯だった。

パンッ!パァンッ!パァンッ!

「ひっ・・・やぁっ・・・ひたっ」

お尻は当然痛いし、背中に固定された腕はギリギリと痛むし
泣きっぱなしで目も、喉も枯れてきた。

「ひぅ・・・ごめ・・・なさい」

『君のごめんなさいは信じない』と、そう言われても、エドワードはこれを言って
許してもらうしか他に方法を知らないし、わからない。
泣きじゃくりながらも、まるで呪文のように必死に繰り返した。

舌足らずな言葉で10回も言ったところで、ようやくロイの平手打ちが止まった。

「さて・・・反省できたかね?」

「ふぇっ・・・ひっく・・・」

エドワードは泣きじゃくっていて、ろくに返事も出来ない。

「おや・・・まだ足りないか?」

「やっ・・・はんせ・・・したっ・・・したからぁっ!!」

もうこれ以上ぶたれてはたまらない。
エドワードは泣きじゃくって喉が痛いのも構わずに、それこそ必死で返事をした。
ここできちんと返事をしなければ、間違いなく更にぶたれる。
そう思えるほど今日のロイはとにかく怖い。

「じゃぁ、もう少しだけ大人しく反省していなさい」

「ふぇ・・・!?」

そう言うとロイは、エドワードを小脇に抱えて
いつも自分が仕事をしている机の前までやってきた。

「た・・・大佐?」

いつもなら、泣き止むまで頭を撫でてくれたり、とにかく甘やかしてくれるのに
今日はそうではないらしい。
別に甘やかして欲しいなんて思っているわけではないけれど、普段との違いに
エドワードは何となく不安になる。

ロイはそんなエドワードにはお構いなしに、背もたれと向かい合うように椅子の上に
エドワードを膝立ちにさせて、さっさと離れて行ってしまう。

「た・・・大佐!何、なんなんだよ!?」

腕は縛られたままだし、ズボンも下着も膝までずらされたままだし
こんな姿で放っておかれるなんて、いくらなんでも恥ずかしくてたまらない。

「そのままの格好で、もう少し大人しく反省していなさい」

ロイはそれだけ言うと、さっさと執務室を出て行ってしまった。

「なっ・・・ちょ、ちょっと!!」

椅子はドアと向かい合わせの位置に置かれているので、背もたれと向かい合うように
座らされたエドワードからは、入り口は背後で全く見えない。
万一、誰かが入ってきたら・・・そう考えると、気が気ではない。

かといって、勝手に体勢を変えてしまうのも気がひける。
ロイが『そのままの格好で』と、そう言ったのだ。
それを崩してしまったら、せっかくの許してもらえるチャンスを棒に振ることになる。
今日のロイならば、軽々と最初からやり直しだと言いかねない。
お尻が真っ赤で痛くてたまらないエドワードとしては、それだけは
何としても避けなくてはならない。

結局、エドワードはロイの言いつけ通り、膝立ちのままじっとしているしかなかった。

晒したままの真っ赤になったお尻はジンジンと熱を持って、ズキズキと痛みを主張する。
ようやく涙も止まったかと思ったのに、泣き喚いていたさっきの自分が情けないのと
とにかくお尻が痛むのと、一人でこんな格好で放っておかれている不安と・・・・・・
何だか色んなものが混じって、瞳からはまたボロボロと大粒の涙が溢れてきた。

「ふぇっ・・・う〜・・・ぐすっ・・・」

涙を拭おうにも、腕が背中に縫い付けられたままだから、それもかなわない。
せめてもの嫌がらせだと、エドワードは顔を椅子の背もたれに擦り付けて
涙を拭いてやった。

と、そこへ

カチャリ・・・

静かに背後でドアが開く音がした。

エドワードはビクリと身を強張らせる。
コツコツと近づいてくる靴音は間違いなく軍靴のものだ。
ここは軍司令部だから、それは当たり前なのだけれど
もしこの足音がロイでなかったら・・・?
エドワードは身をビシリと硬直させた。

何かを置く音がして、それから更に人物は近づいてくる。
ぎゅっと目を瞑り、ビクビクと震えていると

「・・・反省したかね?」

いつものトーンのロイの声がした。

「大佐・・・!!ふぇっ・・・ごめっ・・・ごめんなさいっ!!」

放っておかれた不安と、近づいてきた人物がロイであった安堵と
両方が混ざりあって、エドワードの瞳からは、また涙が溢れてきた。
ボロボロと涙をこぼし始めたエドワードの頭を撫でながら、ロイは紐を解いて
ズボンも元に戻してやった。
ひょいっとエドワードを持ち上げ、今度は自分が椅子に座ると、その膝の上に
向かい合わせにエドワードを座らせる。

「さて・・・どうしてここまで厳しくされたか、わかったかね?」

静かに、そしてゆっくりとエドワードに問う。
口調は先程とあまり変わらないが、声のトーンが普段と同じなだけでも
エドワードは少し安心した。

「・・・何回も問題ばっか・・・起こすから・・・」

エドワードはグスグスと鼻を鳴らしながら、少し拗ねたように言う。

「・・・他には?」

「ほか・・・?」

これはヒューズにも質問されたことだから、本当は答えを知っている。
だが、他人を踏み台にしてでも上に登りつめようという野心家なロイが
そんなことを思っているなんて何となく信じられなくて・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・」

エドワードは思わず黙り込んでしまう。

「・・・鋼の」

静かに名前を呼ばれて顔を上げると、くしゃりと頭を撫でられた。
その触れてくる手が何だか暖かいような気がしたから

「・・・・・・大佐に・・・心配かけさせたから・・・?」

何となく信じられないことだったけれど、口にできた。

「正解」

ロイはそれだけ言うと、ぐしゃっと頭を強く撫でて、エドワードを膝から下ろした。
そのままそっと背中を押して、今日エドワードが執務室に顔を出した時と同じく
機嫌良くソファの席を勧めてくれた。
ふと、テーブルを見てみると、淹れたての紅茶とエドワードの好きなドーナツ。

「さっき席を立った時に・・・ね。
 君があんまり抵抗するものだから、お仕置きが長引いて
すっかり冷めてしまっていたからね。
 ドーナツはオマケだ」

「・・・・・・・・・」

「ああ、そうそう。それから手紙に書いた文献はコレだ」

ロイは机の引き出しから文献を取り出して、エドワードにそっと手渡した。
モノに釣られている訳ではないけれど、あれだけ厳しくされた後だったこともあって
こうやって優しくしてもらえたことが、エドワードは素直に嬉かった。





その後、ロイはエドワードを執務室に残して会議に出かけて行った。
エドワードはと言えば、ロイが出掛けに会議に行くと言ったことなど
まるきり聞いていない様で、ソファに転がりながら文献に夢中になっていた。

会議も終わり、ロイが執務室に帰ると、ソファに人影はなく
不審に思ってよくよく見てみると、そこにはスースーと寝息をたてて
完全に寝入っているエドワードの姿があった。
寝ながらも文献はしっかりと握り締めている。
ロイは思わず苦笑しながら、エドワードを起こさないようにそっと抱き上げると
仮眠室まで運んでやる。

そっとベッドに下ろしたが、夢の中でもお尻は痛むのか

「ん・・・うぅ・・・」

眉をしかめて小さく呻くエドワードを見て、ロイはますます苦笑した。
掛け布団を掛けてやり、自分もベッドにそっと腰掛け、まだまだ幼さの残る
エドワードの寝顔を見やる。

「こんなことを言っても、君は信じないかもしれないが・・・
 私は君の成長をとても楽しみにしているんだよ。
 それを一番近くで見られるこの役回りも、そう悪くないと
 思っているんだがね・・・」

そう言ってロイは、エドワードの前髪をスッと梳くと、腰を上げた。

「・・・おやすみ、良い夢を」

そして静かに仮眠室の扉を閉じた。

このロイの呟きに、完全に夢の中のエドワードは

「んぅ・・・・・・」

そう小さく寝息で返事をした。